PROACTIVEの限界
なるほど。
それで?「手短に言えば、これがすべてです」素晴らしい。
私はもう覚悟ができていた。
「それで、どれくらい運動すればいい?食事はどうすればいい?」。
答えは、先の章でハリーが教えてくれる。
私にもできたのだ、きっとあなたも試してみたくなる。
ハリーの章を始める前に、ちょっと妙な質問をさせてほしい。
あなたの亭主の機嫌はいかがだろう?失礼、結婚していないあなたなら、恋人(あるいは親友、とにかく大事な誰か)のご機嫌パートナー、はいかが?彼はあなたの年齢をどう考えているだろう?自分自身の年齢については?彼は人生に前向きだろうか、それとも疲れている?あなたの趣味や活動を理解してくれるあなたを理解してくれるか?かっ・そしてあなたは、彼に愛されているか?お互い、これから歳をあなたも彼を愛しているか?とっていくのだ。
それを、お互い理解しているか?もっとはっきり言おう。
これから始まる新しい人生(いわゆる老化とは違う、実り多い人生の第三ステージ)を、彼と一緒に生きていく自信があるか?さ愛情が錆びついていないか?本当に一緒にやっていけるか?何を今さらと言うなかれ。
この先、人生の第三ステージを元気で生きていこうと思ったら、やはり一人ではつらい。
しかし会一日うまでもないが)愛されていれば、そして愛する人がいれば、それだけで何をするにも大きな励みになる。
日本では熟年離婚が増えているらしいが、アメリカでも六O歳を過ぎてから離婚するカップルが増えている。
しかもその三分の二は女性側から言いだしている。
これは一考に値する現象だ。
五O代から六O代を迎えた女性の多くは、もう誰かの世話をするのはたくさんだと感じているのだろう。
子離れ・職離れして、やっと自分のために時間を使えると思ったのに、定年退職してすっかり精気をなくした亭主が、出勤もせずフィットネス・クラブにも行かずに朝からテレビを観ているなんて目に見えるようだ。
あなたには亭主が無駄な存在に思えてくる。
近づいてくる老いと死に怯え、なすすべもないと信じ込み(本当は「なすすべ」があるのだがてなのに威張りちらし、女房に指図するのが自分の役目だと信じている。
そんな男に、なぜ自分がつき合わなきゃいけない?冗談じゃない、逃げるが勝ちだ・・・。
いや、ちょっと待って。
この先にやってくる加齢の現実とつき合い、老いを撃退していく上では、人よりも二人のほうが楽なことがたくさんある。
もちろん一人でも老いを撃退できるし、いずれは一人で立ち向かわざるを得なくなる(たいてい女性のほうが平均余命は長い)。
だから、そう急いで一人になりたがることはない。
私は元来、楽観的な男だ。
ここまで素敵に生きてきたあなたも、きっとそうだろう。
男であれ女であれ、生きていくにはそれが一番だ。
でも、六Oの大台に乗るということがどんなに大変なことか、それくらいは承知している。
ほとんど財政破綻のようなものだ。
病気や事故で、六O代で死んでいく人も少いか、ツーリング中に転落するとか、そんな事故ばかりじゃない。
何とほとんど自然な死を迎える人もいる。
心臓発作かもしれないし、がんにやられるかもしれない。
自動車にはねられるとか、この本でハリーと私が語ることを実践していけば、そんな死を早々と迎える可能性はどんどん低くなるが、それでも死はそこにある。
死の呼び声が、いつも遠くの滝の音のように聞こえてくる。
いくら耳をふさいでも聞こえてくる。
だから怖い。
とても怖い。
そんなときは、誰か仲間に一緒にいてとても、ほしいものだ。
できれば、パートナーか、親友か。
滝に落ちるときよく知っている人がいい。
亭主か、は、あなたも私も一人だ。
しかし、落ちるまではできるだけ長く、伴侶がいたほうがいい。
しょせん人は哺乳類、群れて生きる動物なのだ。
つらいときには寄り添って生きるようにできている。
一人ぼっちのジェシカもちろん、女性は一人でも十分ちゃんとやっていける。
こんな例がある。
私たちの友人(名前は仮にジェシカとしよう)は、人生の後半四O年を「独り身」で過ごした。
結婚生活には終止符をうち、子どもたちは巣立っていったからだ。
ジェシカは去年亡くなった。
八O歳を越えていたが、はっとするほど若かった。
小柄な女性だったが、生涯にわたって感情的には豊かな人だった。
ひとり暮らしで、どうやって感情的な豊かさを保てたのか。
第一に、生計を立てるためもあって、ジェシカはいつも何かしていた。
最初は編集者をしていた。
その後何年かは自分の屈をやっていて、変わった服やメキシコのエスニツクなグッズを売っていた。
そのうち地元の小さなテレビ局にレギュラー出演するようになった。
ささやかなニュースやゴシップ(誰かの家で子犬が何匹も産まれたので、もらい手を探しているとか)を伝える番組だ。
しょっちゅう自宅でディナーパーティを聞き、みんなにご馳走をふるまっていた。
料理の腕は最低だったが、ついには料理本まで出した。
第二に、ジェシカは友だちの輪を育てて広げるのに一生懸命だった。
道で誰かに会ったら、どんどんディナーに招待する。
人生における危機のひとつは「友だち」の在庫が尽きることだ。
しかしジェシカに、そんな心配は無用だった。
第三に、ジェシカは健康を保つためにとても努力していた。
費肉はなく、体力があって、たゆまずエクササイズに励み、生涯のほとんどにわたって本格的なスキーをしていた。
ヨガもやっていた。
八O近くなってから、ある食事会の席で、新しい友人に自分の太ももをさわらせ、「ほら、こんなに固いでしょう」と自慢していた。
ジェシカはいつも気力十分で、いつも勇気とユーモアにあふれでいた。
若いころには不幸なこともあり、弱気な人だったら・自殺してしまいそうな目にもあったが、いつも前向きに生きてきた。
そして、最後の最後までセクシーだった。
見た目も、しゃべり方も。
七O過ぎてからもボイフレンドがいた。
ジエシカは生涯にわたって頑張り屋さんだった。
何につけても頑張った。
だから、いい人生を送ることができた。
伴侶がいなくても老いを撃退して生きることは可能だ。
そうは言っても、やはり伴侶がいるほうが楽だ。
子育て&共働きの時期に、家庭をかえりみないパトナに腹を立てたことはあるかもしれない。
ともに浮気して心が離れていった時期も。
しかし、それは人生の第二ステージでの話。
人生の第三ステージにおける結婚は、いかにして信頼できる(あるいは、まったく違うものになりうる。
幸これからでも信頼を回復できる)パートナーに恵まれているあなたなら、これから死ぬまでの長い年月、パートナーは最大の財産になる。
最高の仲間、最高の共同経営者、最高の励まし手、最高の相談相手になる。
ただし唯一の相手ではないし、唯一の相手にしてはいけない。
二人だけの関係に閉じこもるのは危険だ。
二人の関係を軸に、(ジェシカのように)友だちの輪を広げていくといい。
だから早いうちに、互いの気持ちを率直に話し合い、これから何をしたいのか、どこまで一緒に頑張れるかを確かめておいたほうがいい。
それが済んだら、二人で新しいことを始めよう。
ハリーと私がこれから紹介する(けつこうハドな、〆エクササイズだって、二人で一緒にやれればずっと楽しいし、ずっと負担も少ないだろう。
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